皆さんの老後は、何が趣味になっていると思いますか?
実は、高齢者の趣味の種類や数で認知症の発症リスクが低下する可能性があると言われています。
高齢者を対象とする介護・福祉分野では「この人、何か趣味ないのかな」と思うことがしばしばあるかと思います。
そんな時に、本記事で紹介する趣味をオススメしてみてはいかがでしょうか。
~本記事のポイント~
1.高齢者の趣味はガーデニング・読書・映画鑑賞
2.男性はゴルフ・パソコン、女性は旅行・体操・太極拳が認知症予防に効果的かもしれない
3.趣味の数が4種類以上だと認知症予防に効果的かもしれない
①高齢者の趣味って何が多い?

高齢者が生活の活動で行うものとして最も多いのが「趣味・娯楽」のようです。総じて言えることは、年齢が高くなるにつれ余暇活動を行う割合が減っていくようです(①)。
これは、高齢になるほど健康状態が悪化したり一緒に趣味を行う人が減ったりすることが関係しているのかもしれません。

「総務省統計局:社会生活基本調査 平成28年社会生活基本調査 調査票Aに基づく結果 生活行動に関する結果 主要統計表」より健康長寿ネットが作成
たぶん、皆さんが知りたいのは趣味活動の内容だと思います。てことで、まとめてみました!

ガーデニング・読書・映画鑑賞が趣味として王道のようです。意外とカラオケや旅行はランクインしていないようです。
そして、もう一つ着目すべき点は年齢ごとの趣味の種類。
75歳以上になると、活動量の少ない趣味が中心になります。やはり、こちらも運動機能が関連していそうですね。
さて、高齢者の趣味が分かったところで一つ疑問が。
「趣味によって健康状態は変わるのか?」と。
ということで、今回はLing LINGらによる「高齢者の趣味の種類および数と認知症発症:JAGES6年縦断研究」(②)の論文を参考にご紹介していきます。
②認知症を予防するにはパチンコを趣味にしたら良い!?

では、さっそく見ていきましょう。
対象者の総数はなんと4万9705人。平均年齢は約74歳でした。本研究は趣味の種類と数によって、将来の認知症発症のリスクの関連を追う目的で行われました。
では、男女別の趣味の種類と認知症発症リスクを見ていきましょう。


当然ですが、男女で趣味は大きく異なります。その中でも認知症の発症リスクの減少に関連があったのが男性でパソコン・ゴルフ、女性だと旅行・体操・太極拳でした。
先ほど高齢者の趣味として多かったガーデニングも認知症予防に有効の可能性がありそうな結果でしたが、読書に関しては関連性が低いことを指しています。
つまり、もしかしたら意外にも読書は認知症予防には効果が薄いのかもしれません。
さらに意外なのが、男性の趣味の中にある「パチンコ」が認知症予防に効果的である可能性を秘めていることです。簡単にオススメすることはできない趣味ですが・・・。
③趣味の数も認知症の発症リスクと関連!?

さて、最後に趣味の数と認知症との関連性を見ていきましょう。
こちらは男女ともに「趣味なし」群と比較して「趣味が4種類以上」群は大きく認知症のリスクが低下するようです。
つまり、多趣味は認知症になりにくい!ということが言えそうです。
現場感でも同じような感覚があります。
この記事を読んだ方の中には「高齢者(利用者)に何か趣味を勧めたい」と思っている方がいるかもしれません。
是非、本記事を参考に趣味をオススメしてみてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございました。
【参考・引用文献】
①健康長寿ネット:高齢者の余暇活動の動向
②総務省統計局:社会生活基本調査 平成28年社会生活基本調査 調査票Aに基づく結果 生活行動に関する結果 主要統計表
③Ling LINGら:高齢者の趣味の種類および数と認知症発症JAGES 6 年縦断研究
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